こんにちは、和盆日和の「S」です。
黒松や五葉松を見たとき、昨日まで緑だった松葉が黄色っぽくなったり、茶色い葉が増えていたりすると、かなり気になります。
ただ、松盆栽の葉が茶色くなったからといって、木全体が枯れたとは限りません。
枝の内側にある古い葉だけが黄褐色になり、枝先の芽や新しい葉が元気なら、季節にともなう古葉の更新ということがあります。
反対に、新芽まで乾く、鉢土が極端に乾く、何日も湿ったままになる、短い期間で木全体が赤褐色になるといった変化があれば、水切れや根の傷み、病害虫などを確認したいところです。
ここで大切なのは、焦って水・肥料・植え替え・剪定を全部試さないこと。
松盆栽が枯れそうに見えるときほど、茶色くなった場所、土の乾き方、新芽、枝、水の通り方を順番に見ていくことが大切です。
記事のポイント
- 松盆栽の葉が茶色くなる主な原因
- 水切れと過湿や根腐れを見分けるポイント
- 黒松と五葉松が枯れそうなときの確認方法
- 松盆栽が復活できる状態と枯死の見分け方
盆栽の松が枯れる原因は?葉が茶色い時の対処法と復活の見分け方|原因
松盆栽の不調を見るときは、「葉が茶色い」という一つの症状だけから原因を決めないことが重要です。
自然な古葉の更新でも茶色くなりますし、水切れ、過湿、根詰まり、植え替え後の負担、病害虫でも似た変化が現れます。
まずは、茶色くなった位置と変化の速さを確認し、そのあと鉢土、芽、枝、最近の管理を見ていきます。
- 古葉の茶色は枯死とは限らない
- 水切れは鉢の中まで確認する
- 過湿と根腐れも葉が茶色くなる
- 根詰まりと古い用土にも注意
- 置き場所と夏の環境を見る
- 植え替え後の変色を確認する
- 病害虫による枯れも確認する
- マツ材線虫病にも注意する
- 黒松が枯れる時の確認点
- 五葉松が枯れる時の確認点
| 症状 | 考えられる原因 | 確認したい点 |
|---|---|---|
| 内側の古葉だけ黄褐色 | 古葉の更新 | 新芽や新しい葉が健全か |
| 土が乾き葉先から傷む | 水切れ | 根鉢内部まで乾いていないか |
| 土が長く湿り葉色が悪い | 過湿や根の傷み | 排水と乾燥までの時間 |
| 水が土へ入りにくい | 根詰まりや用土劣化 | 水の染み込み方と植え替え歴 |
| 葉に食痕や虫がある | マツカレハなど | 幼虫、卵、食べられた跡 |
| 夏から秋に全体が急変 | マツ材線虫病など | 変色速度と周囲の松の状況 |
古葉の茶色は枯死とは限らない
松は常緑樹ですが、一度出た針葉がずっと残り続けるわけではありません。
枝の内側にある古い葉が黄色から茶色へ変わり、新しい葉へ入れ替わることがあります。
特に、内側の古葉だけが変色していて、枝先の芽や新しい葉が緑色を保っている場合は、木全体の枯死と分けて考えます。
森林総合研究所のマツ材線虫病に関する資料でも、病気以外の針葉変色として秋季の旧葉変色が挙げられています。
つまり、「松葉が茶色い」という一点だけでは、病気とも水切れとも判断できません。
見るべきなのは、前年以前の古葉だけなのか、それとも今年出た葉や新芽まで傷んでいるのかという違いです。

古葉更新の可能性を考えやすい状態
枝の内側から変色していて、枝先に生きた芽があり、新しい葉が緑色で、変色が短期間に木全体へ広がっていない状態です。
反対に、新芽そのものが茶色く乾いている、枝先から次々に変色する、数日から数週間ほどで全体へ広がっている場合は、自然な古葉更新だけで説明しない方がよいでしょう。
水切れは鉢の中まで確認する
盆栽は限られた量の用土で育つため、地植えの松と比べて鉢内の水分変化が早くなります。
特に夏の小鉢や浅鉢は乾きやすく、日射や風が重なると朝に水を与えても想像以上に早く乾くことがあります。
ただし「夏なら1日2回」「冬なら何日に1回」という回数だけで管理するのは避けたいところです。
同じ黒松でも鉢の深さ、根の量、用土、日当たり、風、気温によって乾き方が変わるからです。
水やりの基本は、カレンダーではなくその鉢が実際に乾いているかを見ること。
季節による違いは、季節ごとの盆栽の水やり頻度と枯らさないための基礎知識でも詳しくまとめています。
もう一つ注意したいのが、「毎日水を与えているのに鉢の中は乾いている」というケースです。
根が鉢いっぱいに回っていたり、古い用土が固くなっていたりすると、水が表面や鉢の縁を流れるだけで、根鉢の中心まで届かないことがあります。
大宮盆栽美術館では、一度水を与え、少し時間を置いて再度与える「返し水」が紹介されています。
根鉢全体へ水を通したい場面では参考になる方法です。

(出典:さいたま市大宮盆栽美術館「夏の仕事~水やりの極意」)
◆Sのワンポイントアドバイス
水やりで私が大切だと考えているのは、「何回やったか」より「根鉢まで水が届いたか」です。
表面だけ濡れてすぐ鉢の脇へ流れてしまうなら、水を与えた回数だけでは判断できません。
水の流れを狙いやすい細口ノズルの盆栽用ジョウロは、小鉢や用土の状態を見ながら灌水したいときに使いやすい道具です。
過湿と根腐れも葉が茶色くなる
松盆栽の葉がしおれていると、水が足りないように見えることがあります。
ところが、鉢土がずっと湿っているなら、さらに水を足す前に立ち止まってください。
根が傷んで吸水しにくくなった場合も、地上部には水分不足に似た症状が出ることがあるからです。
水切れと根の不調は見た目が似ることがあるため、葉より先に土の乾き方を見るのがポイントです。
水やり後にいつまでも鉢土が湿っている、以前より乾くまで時間がかかる、鉢底から水が抜けにくい、土が細かく崩れて泥のようになっている場合は、根の環境も確認します。
ここで混同したくないのが根腐れと根詰まりです。
根詰まりは、生きた根が鉢内いっぱいに広がっている状態。
一方、根腐れは過湿などの影響で根組織が傷み、正常な働きができなくなっている状態です。
根詰まりが進んで水や空気の流れが悪くなり、その後に根の傷みまで加わることもあるので、二者択一とは限りません。
詳しい違いは、盆栽の根腐れと根詰まりの見分け方も参考にしてください。
根腐れを疑っても、時期を考えずに根を大量に切るのは避けます。
植え替え自体が根へ負担をかける作業です。
排水不良なのか、本当に腐敗した根が広がっているのか、植え替え適期を待てる状態なのかを見て判断してください。
根詰まりと古い用土にも注意
長く植え替えていない松では、根が鉢全体へ回り、水や空気の通りが変わっていることがあります。
水を掛けても土へ染み込まず鉢の端から流れる、反対に細かく崩れた土が水を抱えて乾かない、といった状態です。
この場合、単純に「水の量を増やせばよい」とは言えません。
鉢の中で根と用土の状態が変わっている可能性があるためです。
松盆栽を長く育てるには、適期に植え替え、古い用土と根の状態を確認することも欠かせません。

ただし、葉が大量に茶色くなり、新芽まで傷んでいるような木へ、原因確認だけを目的として何度も鉢から抜くのも負担になります。
今すぐ植え替えるべきなのか判断に迷う場合は、盆栽園などで現物を見てもらう方法もあります。
用土を交換する段階では、粒の状態や排水性を確認しながら盆栽用の赤玉土や鉢底ネットを選ぶと、鉢内環境を作り直しやすくなります。
置き場所と夏の環境を見る
黒松や五葉松は、基本的に屋外で日照と風を受けながら管理する松柏盆栽です。
長期間室内に置き、光が不足して風もほとんど通らない環境では、松本来の生育条件から離れてしまいます。
一方、屋外へ置けば何でもよいわけではありません。
真夏の小さな鉢では、照り返し、乾燥した風、午後の高温が重なり、鉢土が急速に乾く場合があります。
だからといって、松を一年中暗い日陰へ移すのも適切ではありません。
夏の異常な高温や西日などを避ける必要がある環境では、木の状態と日照を見ながら園芸用の遮光ネットや寒冷紗を利用する方法があります。
遮光は「暗くすること」が目的ではなく、必要な光を確保しながら高温期の負担を減らすために使います。
水切れ後や植え替え直後なども、一時的な養生と長期間の室内管理を同じものとして考えないようにしてください。
植え替え後の変色を確認する
植え替え直後から松葉の様子がおかしくなったなら、直近の作業内容も確認します。
植え替えでは根の一部を切るため、それまでと同じ量の水をすぐに吸えるとは限りません。
根鉢を大きく崩した、根を多く切った、植え替え後に乾燥させた、同じ時期に剪定などの作業も重ねた場合は、樹体へ負担が集中することがあります。
このとき「元気がないから肥料を追加する」「枝葉を減らそうとさらに剪定する」と処置を重ねるより、まず乾燥を避けて状態を見ます。
黒松では芽切り、芽かき、葉すかし、剪定など年間を通して複数の作業がありますが、どの作業も木の状態を無視して行うものではありません。
松の年間作業については、松盆栽の剪定時期と種類別の管理カレンダーもあわせて確認してください。
◆Sのワンポイントアドバイス
枯れそうに見える松ほど、手を加えたくなります。
でも、水やり変更、植え替え、肥料、剪定を同時にすると、何が原因だったのか分からなくなるだけでなく、木への負担も増えます。
まず異常の原因を絞り、必要な処置だけ行う方が安全です。
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剪定鋏や刃物クリーナーを探す
剪定が必要な場合は、用途に合う剪定鋏を選び、松ヤニや樹液が付着した刃は使用後に手入れしておくと扱いやすくなります。
病害虫による枯れも確認する
水と根に問題が見つからない場合は、針葉、枝、幹を近くで観察します。
松ではマツカレハなどによる食害があり、幼虫が針葉を食べると葉量が減り、被害部分が褐変することがあります。
単なる乾燥では葉そのものが食べ取られることはないため、針葉の欠損、幼虫、卵、食痕があれば大切な手掛かりになります。
また、枝や葉へ殻のような小さな虫が付着している場合は、カイガラムシ類なども候補です。
葉に黄色い斑点や帯状の変色が現れてから褐変しているなら、単純な水不足ではなく葉の病害も考えます。
病害虫について迷ったら、盆栽の虫対策と屋外害虫の予防も参考にしてください。
虫や病斑を見つけた場合も、種類を確認しないまま薬剤を何種類も散布するのは避けます。
薬剤を使用するときは、必ずラベルに記載された対象植物、対象病害虫、使用方法を確認してください。
マツ材線虫病にも注意する
黒松、赤松、五葉松などのマツ属を扱う以上、マツ材線虫病も知っておきたい病害です。
いわゆる「松くい虫被害」は、マツノザイセンチュウがマツノマダラカミキリなどによって運ばれ、松の樹体内へ侵入することで起こります。
森林総合研究所によると、典型的なケースでは夏から秋にかけて全身の針葉が急速に変色します。
ただし、春に枯れる例や部分的な枯れ方もあるため、「夏に全体が茶色にならなければ違う」と単純には判断できません。
さらに大切なのが、針葉の変色だけでマツ材線虫病と断定できないということです。
同じ資料では、マツ材線虫病以外の例として秋季の旧葉変色なども示されています。
(出典:森林総合研究所「マツ材線虫病にどう対処するか―防除対策の考え方と実践―」)
樹脂分泌の低下も診断材料になりますが、研究機関で行われる樹脂滲出調査では幹へ傷を付けます。
大切な盆栽に自己判断で大きな穴や傷を作って診断する方法はおすすめしません。
夏から秋にかけて木全体が短期間で赤褐色になった場合は、水切れだけで決めつけないでください。
マツ材線虫病の確定には専門的な診断が必要です。
周囲にも松がある場合は、盆栽園、樹木医、自治体や林業関係機関などへ相談することを検討してください。
黒松が枯れる時の確認点
黒松の葉が茶色くなったときも、最初に古葉か新葉かを見ます。
内側の前年葉だけが変色し、枝先の芽や今年の葉が健全なら、古葉更新の可能性があります。
一方、新しい葉まで色が変わっているなら、鉢土の乾燥、過湿、根詰まり、直近の植え替えや芽切り、病害虫まで範囲を広げて確認します。
黒松では芽切りなど独特の管理を行うため、作業前から衰えていた木に通常どおりの手入れを重ねると、回復に必要な葉や根へさらに負担を掛けることがあります。
また、夏から秋に木全体が短期間で変色する場合は、マツ材線虫病も候補から外せません。
黒松が茶色いときは、「松だから乾燥には平気だろう」「海岸にも生えるから水は少なくてよい」とイメージだけで判断せず、小さな盆器で育っている植物として鉢内の水分を見ることが大切です。
五葉松が枯れる時の確認点
五葉松も、古葉の変色と木全体の不調を分けて見ます。
古い葉が内側から黄色や茶色へ変わっていても、新しい葉と芽が健全なら、すぐ枯死とは判断しません。
ただ、五葉松と黒松をまったく同じ感覚で水やりするのも避けたいところです。
樹種だけでなく、鉢の大きさ、用土、根の量、置き場所で水の減り方が変わります。
五葉松の土が何日も湿ったままなのに、葉がしおれているからと水を追加し続ければ、根の環境をさらに悪くする可能性があります。
逆に浅鉢が乾ききっているなら、根鉢まで十分に水を通します。
五葉松もマツ属なので、急速な全身変色が見られる場合にマツ材線虫病を完全に除外することはできません。
「五葉松だからこう」「黒松だからこう」と一つの管理方法に固定するより、その鉢の現在の状態を見る方が判断しやすいですよ。
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盆栽の松が枯れる原因は?葉が茶色い時の対処法と復活の見分け方|対処
原因候補が見えてきたら、次は何をすればよいのかを考えます。
松盆栽の回復で避けたいのは、焦って処置を増やすことです。
水切れした木と過湿で根が傷んだ木では、葉の見た目が似ていても必要な対応が反対になることがあります。
ここからは、茶色くなった直後の確認手順と、まだ復活できる松を見分けるポイントを見ていきます。
- 茶色くなった時の確認手順
- 水切れなら根鉢まで給水する
- 過湿なら追加の水を止めて見る
- 肥料や剪定を急がない
- 松盆栽の復活を芽と枝で見る
- 形成層の確認は最小限にする
- 復活が難しいサインを知る
- 松盆栽が枯れる時のFAQ
- 盆栽の松が枯れる原因と復活の見分け方まとめ
茶色くなった時の確認手順
松葉が茶色くなったら、最初に変色した場所を見ます。
枝の内側にある古い葉だけなのか、今年の葉なのか、新芽そのものまで乾いているのか。
次に、変色し始めた時期と進み方を振り返ります。
数か月かけて内側の葉だけが変わったのか、それとも数日から数週間ほどで枝全体へ広がったのかでは意味が違います。
そのあと鉢土を指や目で確認し、極端に乾いているのか、適度な乾湿を繰り返しているのか、いつまでも湿っているのかを見ます。
水を与えたときは、表面だけでなく鉢底から水が出るかも確認してください。
最後に新芽、細枝、虫、病斑、最近行った植え替えや剪定などを振り返ります。
確認する順番
古葉か新葉か → 変色の速さ → 土の乾湿 → 水の通り → 新芽 → 枝 → 病害虫 → 最近の作業 → 季節、という流れで見ていくと判断しやすくなります。
松以外も含めた盆栽全般の症状については、盆栽が元気ない・茶色い原因と対処の順番でも詳しく確認できます。
水切れなら根鉢まで給水する
鉢土が明らかに乾いている場合は、根鉢へ水を行き渡らせます。
ただ表面を濡らして終わるのではなく、鉢底から水が流れるところまで確認してください。
根詰まりなどで一度の水やりでは内部まで入りにくいなら、少し時間を置いて再度水を与える返し水も選択肢です。
ここで注意したいのは、一度水切れしたからといって、その後ずっと用土をびしょびしょに保つことではありません。
根鉢へ水を行き渡らせたあとは、その木に合った通常の乾湿へ戻します。
極端に乾いた鉢を一時的に吸水させる処置と、常時鉢を水へ浸け続ける管理も別です。
水切れが心配だからと鉢底を長期間水へ浸け続ければ、今度は根域の空気不足につながる場合があります。
過湿なら追加の水を止めて見る
鉢土が十分湿っているのに葉がしおれているなら、「水不足だろう」と追加する前に排水を確認します。
まず、鉢底穴が塞がっていないか、土が細かく崩れていないか、以前と比べて乾くまでの時間が長くなっていないかを見てください。
ただし、「根腐れかもしれないから一週間水を与えない」と期間を固定する方法もおすすめできません。
必要なのは、水やりをカレンダーで止めることではなく、現在の土が乾いているかを確認して次の水やりを判断することです。
根腐れが進行している疑いがあり、根が軟らかく崩れる、腐敗したような臭いがする、排水が著しく悪い場合には植え替えを検討することがあります。
ただし、季節や木の状態によって適切な処置が変わります。
特に古木や高価な盆栽で判断が難しい場合は、自己判断で大幅な根切りをするより専門家へ相談する方が安心です。
肥料や剪定を急がない
松の葉色が悪くなると、「栄養が足りないのでは」と肥料を足したくなるかもしれません。
ですが、根が十分に働いていない状態なら、肥料を追加しても原因解決にはなりません。
水切れ、過湿、根詰まり、病害虫、植え替え後の負担などを先に確認してください。
活力剤も同じです。
活力剤を使ったからといって、根腐れやマツ材線虫病、害虫被害そのものが治るわけではありません。
また、茶色い枝葉を見てすぐ大きく剪定することにも注意します。
完全に枯れた部分を後から除くことはできますが、生死が分からない枝まで切れば、残っていた生きた芽を失うかもしれません。
枯れそうな松では「何かを足す」より、まず悪化させている原因を見つけることを優先します。
松盆栽の復活を芽と枝で見る
松盆栽が復活できるかを見るとき、茶色くなった葉が緑へ戻るかどうかを基準にしないでください。
完全に壊死した松葉そのものが元の健全な針葉へ戻ることを期待するのではなく、生き残った芽、枝、根から次の成長が始まるかを見ます。
まず確認したいのが芽です。

芽に張りが残っている、完全に乾燥していない、新しい伸びが確認できるなら、生きた部分が残っている手掛かりになります。
細枝にも軽く弾力があり、内部に水分感が残っているなら、生存している可能性があります。
反対に、すべての芽が乾燥し、枝先から幹元までカラカラで、細枝が簡単に折れる状態なら厳しくなります。
| 確認場所 | 生存の手掛かり | 注意したい状態 |
|---|---|---|
| 芽 | 張りや水分感がある | 全て乾燥している |
| 細枝 | 弾力が残っている | 乾いて簡単に折れる |
| 形成層 | 緑色の生きた組織がある | 内部まで乾いた褐色 |
| 根 | 健全な細根が残る | 腐敗が広く進んでいる |
◆Sのワンポイントアドバイス
「茶色い葉が元に戻るか」ではなく、「次の芽が動ける状態か」と考えると分かりやすいです。
松盆栽の復活とは、枯れた針葉を元通りにすることではなく、生きた部分から再び成長が始まることです。
形成層の確認は最小限にする
樹木の生死を見る方法として、樹皮の表面をごく小さく確認し、内側の形成層が緑色かを見る方法があります。
内部に緑色の生きた組織があれば、その位置はまだ生きている可能性があります。
反対に、内部まで茶色く乾燥している場合は、その枝が枯死している可能性が高まります。
ただし、これは大切な盆栽の幹を何か所も削ってよいという意味ではありません。
古木の幹や正面など、観賞価値に関わる場所へ不要な傷を作るのは避けてください。
芽や細枝の状態だけで確認できるなら、まずそちらを優先します。
どうしても確認する場合も、目立たない細枝などのごく小さな範囲にとどめます。
また、一か所に緑色が見えたからといって、木全体が必ず回復するわけではありません。
分かるのは、その位置に生きた組織が残っている可能性があるということです。
復活が難しいサインを知る
松盆栽の状態がかなり進行している場合には、回復が難しいサインが複数重なります。
すべての新芽が完全に乾燥し、針葉が全体にカサカサになり、枝が先端から根元側まで乾いている。
さらに目立たない細枝で確認しても生きた形成層が見つからず、根にも広い腐敗がある場合は、木全体が枯死している可能性が高まります。
逆に、葉の多くが茶色でも、一部に生きた芽がある、枝に水分感がある、形成層が生きているなら、すぐに廃棄せず経過を見る余地があります。
特に水切れ直後などでは、ダメージを受けた葉が後から茶色くなることも考えられます。
そのため、見た目だけで即日「枯れた」と断定しないことが大切です。
松盆栽の復活を見る基準
復活とは茶色い葉が緑へ戻ることではありません。
残った芽、枝、根が生きていて、その後に新しい成長を始められる状態を指します。
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松盆栽が枯れる時のFAQ クリックすると回答が開きます。
Q1. 松盆栽の葉が茶色くなったら枯れていますか?
A. 茶色い葉があるだけでは、木全体が枯れたとは判断できません。
枝の内側にある古葉だけが変色し、枝先の芽や新しい葉が健全なら、古葉の更新という場合があります。
一方、新芽まで乾いている、木全体へ急速に広がる、土の乾き方にも異常がある場合は、水切れや根の不調、病害虫などを確認してください。
Q2. 松盆栽の水切れと根腐れはどう見分けますか?
A. 葉だけでは見分けにくいため、鉢土を確認します。
根鉢まで乾燥しているなら水切れを考えますが、土が長く湿り、排水も悪く、以前より乾きにくくなっているなら根の不調を疑う材料になります。
根腐れかどうかを葉色だけで断定せず、水の染み込み方、排水、根の状態をあわせて見てください。
Q3. 茶色くなった松葉は緑に戻りますか?
A. 完全に壊死した針葉そのものが、元の健全な緑色へ戻ることを回復の基準にはしません。
重要なのは、芽や枝、根に生きた部分が残り、そこから新しい成長が始まるかどうかです。
葉が茶色でも生きた芽が残っているなら、状態を見ながら回復を待つ余地があります。
Q4. 枯れそうな松へ肥料を与えてもよいですか?
A. 原因が分からない段階で肥料を増やすのは避けた方がよいでしょう。
根が傷んでいる場合は肥料を十分利用できないことがあります。
まず水切れ、過湿、根詰まり、病害虫、直近の植え替えなどを確認し、回復が見えてから通常管理へ戻していきます。
Q5. 黒松や五葉松が急に全部茶色くなったらどうしますか?
A. まず鉢土、新芽、枝、直近の管理を確認しますが、夏から秋に木全体が短期間で赤褐色へ変わった場合は、マツ材線虫病なども候補になります。
葉色だけで確定診断することはできません。
周囲にも松がある場合や症状が急速に進む場合は、盆栽園、樹木医、自治体や林業関係機関などへ相談してください。
盆栽の松が枯れる原因と復活の見分け方まとめ
盆栽の松が枯れそうに見えたとき、一番避けたいのは、茶色いという見た目だけで原因を決めてしまうことです。
- 内側の古葉だけなら自然な葉の更新も考える
- 新芽まで傷む場合は土や根、病害虫まで確認する
- 鉢土が乾いているなら根鉢まで水を通す
- 湿ったままなら追加の水より排水と根の状態を見る
- 根詰まりと根腐れを同じものとして扱わない
- 弱っている時に肥料や剪定などを一度に重ねない
- 復活は生きた芽や枝から新しい成長が始まるかで見る
- 夏から秋の急速な全身変色は専門的な診断も検討する
黒松でも五葉松でも、まず古葉、新芽、鉢土、枝という身近な部分から見ていけば、原因候補はかなり絞れます。
完全に枯れた針葉や枝を元に戻すことはできません。
それでも芽や形成層、健全な根が残っているなら、原因を取り除いたあとに再び成長する可能性があります。
反対に、焦って水を増やす、肥料を足す、植え替える、剪定するという処置を重ねると、本来残っていた回復力まで損ねかねません。
この記事で紹介した症状は、家庭で原因候補を確認するための目安です。
病害虫や根の状態は、外観だけで確定できないことがあります。
正確な病害情報や薬剤情報は公的機関・製品の公式情報をご確認ください。
高価な盆栽、古木、急速に枯れが進む松、マツ材線虫病が疑われる松については、最終的な判断を盆栽園、樹木医、自治体や林業関係機関などの専門家にご相談ください。
以上、和盆日和の「S」でした。