
和盆日和
こんにちは。和盆日和、運営者の「S」です。
日々、盆栽や庭木の管理をしていると、愛用している剪定鋏の切れ味が徐々に落ちてくるのを感じますよね。「なんだか最近、枝を潰すような切り心地になってきた」「刃を開くたびにギシギシと嫌な音がする」……そんな悩みを抱えていませんか?
いざ自分で修理しようと思い立っても、「分解したら元に戻せなくなるんじゃないか」という不安や、「素人が研ぐと余計に切れなくなる」という噂を耳にして、二の足を踏んでいる方も多いはずです。また、プロの研ぎ屋さんに頼むとしても、料金の相場や依頼方法が分からず、結局そのまま使い続けてしまっているケースもよくあります。
実は、剪定鋏のトラブルの多くは、少しの知識と正しい手順さえあれば、自宅で劇的に改善できるものがほとんどです。そして、プロに依頼することも、皆さんが思っている以上に手軽で、コストパフォーマンスに優れた選択肢なんです。
記事のポイント
- 自分でできるヤニ取りやサビ落としの具体的な手順
- 初心者でも失敗しない砥石を使った研ぎ方のコツ
- バネ交換や分解組み立ての注意点
- プロに修理を依頼した際の料金相場と判断基準
自分で挑戦する剪定鋏の修理とメンテナンス
「もう全然切れないから、新しいのに買い替えようかな……」と諦めてしまうその前に、まずはご自身でできるケアを試してみませんか?
長年多くの鋏を見てきましたが、実は「刃の寿命」で切れなくなっているケースよりも、単なる「汚れ」や「調整不足」で性能を発揮できていないケースの方が圧倒的に多いんです。ここでは、特別な機械を使わず、自宅にあるものやホームセンターで手軽に入手できる道具を使って、愛用の鋏を蘇らせる方法を深掘りして解説します。
- 切れ味が復活するヤニ取りと掃除の方法
- 頑固なサビを落とす効果的なサビ取り手順
- 初心者でも失敗しない砥石での研ぎ方
- 構造を理解して行う分解と組み立てのコツ
- 岡恒などのバネ交換と種類の選び方
- 刃こぼれや噛み合わせの調整方法
切れ味が復活するヤニ取りと掃除の方法

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剪定鋏を使っていると、刃の内側や背の部分に、黒くて茶色いベタベタした汚れがこびりついてきませんか?これは植物の樹液、園芸用語で言うところの「ヤニ(またはシブ)」です。
多くの人が「刃が摩耗して切れなくなった」と勘違いしてしまう最大の原因が、実はこのヤニ汚れなんです。植物の樹液は乾くと強力な接着剤のような性質を持ちます。これが刃の表面に層を作って固着すると、刃と刃が擦れ合う時の摩擦抵抗が極端に大きくなってしまいます。その結果、切る動作自体が重くなり、鋭利な刃先が枝に食い込むのを物理的に邪魔してしまうのです。
魔法のように落ちる「刃物クリーナー」の実力
この頑固なヤニを落とすために、水洗いでゴシゴシ擦っていませんか?実はヤニは油性の汚れに近い性質があるため、水ではほとんど落ちません。
一番おすすめなのは、園芸店やホームセンターで売られている「刃物クリーナー」を使用することです。これはアルカリ性の成分や界面活性剤を含んでおり、樹液を化学的に分解してくれます。使い方は驚くほど簡単です。
- 汚れた刃にクリーナーをシュッと吹きかける。
- そのまま約1分間放置して、成分を浸透させる。(ここが重要!)
- 浮き上がってきた茶色い汚れをティッシュで拭き取る。
たったこれだけで、嘘のように銀色の刃が蘇ります。「研ぐ必要があると思っていたけれど、掃除しただけで新品の切れ味が戻った!」という声は本当によく聞きます。
家庭にあるもので代用する場合
「すぐに手元にクリーナーがない」という場合は、キッチンにあるものでも代用可能です。例えば、換気扇用の油汚れ洗剤(マジックリンなど)や、サラダ油・オリーブオイルも有効です。油は「油で溶かす」という原理ですね。また、最近ではアルコール度数の高い消毒用エタノールでも、ある程度のヤニを拭き取ることができます。
作業後のケアをお忘れなく
クリーナーや洗剤を使った後は、刃の表面の油分が完全に脱脂され、金属がむき出しの状態になっています。そのまま放置すると数時間でサビが発生することもあるため、最後は必ず椿油や防錆油を薄く塗って保護膜を作ってください。
日々のメンテナンスとして、使い終わったらすぐにヤニを落とす癖をつけるだけで、鋏の寿命は劇的に伸びます。より詳しいヤニ取りの手順や、私が実践している日々のルーティンについては、こちらの記事でも解説しています。
頑固なサビを落とす効果的なサビ取り手順

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雨の日の作業後に拭き忘れたり、湿気の多い倉庫に長期間放置してしまったりして、気づけば刃が真っ赤に錆びていた……という経験、私自身も何度もあります。特に剪定鋏に使われる「炭素鋼(ハガネ)」は、切れ味は鋭いものの、ステンレスに比べて非常に錆びやすい性質を持っています。
サビは単に見栄えが悪いだけでなく、刃の表面をミクロレベルでボコボコに腐食させてしまいます。これを放置すると、刃先が虫食い状態(ピッチング)になり、いくら研いでも鋭さが戻らなくなってしまいます。
軽度のサビ(赤サビ)の落とし方
表面にうっすらと浮いている程度の赤いサビであれば、物理的に擦り落とすのが一番早いです。
- サビ取り消しゴム:文房具の砂消しゴムを強力にしたようなアイテムです。数百円で購入でき、水をつけずにゴシゴシ擦るだけで驚くほどサビが落ちます。一つ持っておくと非常に便利です。
- スチールウール・クレンザー:台所にある金属たわしやクレンザーも有効です。ただし、あまり強く擦りすぎると健全な金属部分まで傷つけてしまうので、優しく円を描くように磨くのがコツです。
重度のサビ(黒ずんだサビ)への対処
もしサビが進行して、金属の内部まで侵食しているような場合は、ホームセンターで売られている液体の「サビ取り剤(ラストリムーバー)」の出番です。これは化学反応(還元作用)を利用してサビを分解します。
サビている部分に液を塗布し、数分から数十分放置すると、サビが紫色に変色して溶け出してきます。これを水で洗い流せば完了です。
サビ取り剤使用時の絶対的な注意点
多くの強力なサビ取り剤は「強酸性」です。皮膚に付くと炎症を起こす危険があるため、必ずゴム手袋を着用してください。また、酸性の成分が金属に残っていると、それが新たなサビの原因になります。作業後は大量の水で洗い流し、水分を完全に拭き取ってから、即座に油を差してください。
初心者でも失敗しない砥石での研ぎ方

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クリーニングやサビ落としをしても切れ味が戻らない場合は、刃先自体が摩耗して丸くなっている可能性が高いです。ここからは、いよいよ「研ぎ(シャープニング)」のステップに入ります。
「研ぎ」と聞くと、職人さんのような高度な技術が必要だと思われるかもしれませんが、剪定鋏の研ぎは包丁に比べればシンプルです。ただし、絶対に守らなければならない「たった一つのルール」があります。
剪定鋏を研ぐための「絶対ルール」
それは、「切り刃(表側の斜めになっている面)だけを研ぎ、裏刃(平らな裏面)は絶対に研ぎ抜かない」ということです。
剪定鋏の裏面は、一見平らに見えますが、実は中央がわずかに凹んでいる「裏スキ(ひずみ)」という特殊な構造になっています。この凹みがあるおかげで、刃と刃が接触するのは「刃先」と「裏の一部」だけになり、摩擦を減らして軽い力で切れるようになっているのです。
もし、包丁のように裏面を砥石にベタッと当ててゴシゴシ研いでしまうと、この「裏スキ」がなくなり、刃全体がペタッとくっつくようになってしまいます。そうなると摩擦が激増して動かなくなるか、逆に刃の間に隙間ができて何も切れなくなります。一度こうなると、修理はほぼ不可能です。
失敗しない具体的な手順
- 砥石の準備:剪定鋏の刃は鎌のようにカーブしています。四角い角砥石だと角が当たって研ぎにくいので、ハンディタイプの細長い砥石や、「鎌用砥石(かまようといし)」を使うのがベストです。
- 角度を合わせる:刃をよく見ると、先端に斜めの角度(小刃)がついています(通常25度〜30度くらい)。この角度に砥石をピタッと当て、角度を変えないように注意しながら前後に動かします。
- カエリを確認する:しばらく研いでいると、刃の裏側に、髪の毛一本分くらいの金属のまくれ(カエリ、またはバリ)が出てきます。指で裏側を撫でて(怪我に注意!)、ザラザラした感触があれば、刃先までしっかり研げた証拠です。
- 裏刃の処理(バリ取り):最後に、裏側に出た「カエリ」を取ります。ここが最重要ポイントです。砥石を裏面にピタッと平らに当て、軽く2〜3回だけ手前に引くように擦ります。あくまで「出っ張ったバリを取る」だけであり、「研ぐ」わけではありません。
初心者が最初に選ぶべき砥石の番手(1000番など)や、ダイヤモンドシャープナーの活用法については、以下の記事でさらに詳しく写真付きで紹介しています。
構造を理解して行う分解と組み立てのコツ

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刃の根元までしっかり研ぎたい時や、可動部の内部に入り込んだ砂やサビを落としたい時は、鋏を分解する必要があります。しかし、これはリスクを伴う作業でもあります。最大の難関は「元通りに組み立てて、正しい力加減で締めること」です。
分解前に必ずやるべきこと
分解を始める前に、必ず「スマホで現状の写真を撮る」ことを強くおすすめします。特に注目すべきは、真ん中の支点ボルト(ネジ)に入っている「ワッシャー」や「座金」の順番と向きです。
多くの剪定鋏には、薄い金属のワッシャーが複数枚入っていることがあり、これらが「切り刃」と「受け刃」の絶妙な圧力バランスを保っています。この順番を間違えたり、ワッシャーを一枚入れ忘れたりするだけで、鋏はスカスカになって切れなくなります。記憶に頼らず、記録に残すのが成功への近道です。
組み立て時の調整テクニック
清掃や研磨が終わって組み立てる際は、ボルトや摩擦部分にたっぷりとグリス(または粘度の高い油)を塗りながら行います。
そして最後の難関が「ナットの締め付け」です。ここには正解の強さがありません。 きつく締めすぎれば、ハンドルが重くて手が疲れます。逆に緩すぎれば、刃が開いて枝が噛み込んでしまいます。
- ナットを少し締める → 何度か開閉してみる
- まだ緩いなら少し締める、重いなら少し緩める
これを繰り返し、「抵抗なくスムーズに動くけれど、横方向にガタつきが一切ないポイント(スイートスポット)」を探り当ててください。これこそが、剪定鋏の切れ味を左右する心臓部です。
岡恒などのバネ交換と種類の選び方
剪定作業中に、枝を切った衝撃で「ビヨーン!」とバネがどこかへ飛んでいってしまった……。あるいは、長年の金属疲労でバネが真ん中から折れてしまった。これは剪定鋏あるあるのトラブルです。
バネがないと、切るたびに手で刃を開かなければならず、作業効率は最悪になります。しかし、安心してください。バネはあくまで「消耗品」であり、数百円で新品に交換できます。
バネの形状と適合
交換用のバネを購入する際は、ご自身の鋏に合ったタイプを選ぶ必要があります。大きく分けて2つの種類があります。
| バネの種類 | 特徴・メリット | 主な採用メーカー |
|---|---|---|
| V型バネ(松葉バネ) | V字型の板状バネ。反発力が強く、太い枝を切った後でもパッと開く。耐久性が高いが、稀に外れやすい。 | 岡恒(オカツネ)、千吉などの伝統的な鍛造鋏 |
| 虫バネ(コイルバネ) | 螺旋状のコイルバネ。反発力がソフトで、長時間作業でも手が疲れにくい。伸縮性が高い。 | アルス、フェルコ、その他多くの量産型鋏 |
最も流通している「岡恒」の剪定鋏であれば、ホームセンターの園芸コーナーに純正の替バネ(2本入り)が置いてあることが多いです。購入時の注意点として、「サイズ」を間違えないようにしましょう。一般的に「180mm用」「200mm用」など、鋏の全長に合わせてバネの大きさも異なります。
バネの交換自体は簡単ですが、硬くて入りにくい場合のコツや、外れにくくする調整方法については、こちらの記事が参考になります。
刃こぼれや噛み合わせの調整方法
「うっかり金属のワイヤーを切ってしまった」「硬い枯れ枝を無理やりねじ切ってしまった」といった場合に起こるのが、刃の欠け(刃こぼれ)や、刃の歪みです。
刃こぼれは直せる?
爪に引っかかる程度の小さな欠けであれば、荒い番手の砥石(#120〜#200程度)で時間をかけて研ぎ下ろせば、修復可能です。しかし、1ミリ以上の大きな欠けになると、手作業で修正するのは非常に困難です。刃の形状が大きく変わってしまい、噛み合わせがおかしくなるリスクがあります。
「枝が噛む」現象の正体
「柔らかい枝や葉を切ろうとすると、切断されずに刃の間にグニャッと挟まってしまう」。これは非常にストレスですよね。 この「噛み込み」の原因の多くは、「クリアランス(隙間)の拡大」です。支点のボルトが緩んでいるか、長年の使用で刃自体が摩耗して、切り刃と受け刃の間に隙間ができているのです。
まずは、前述した「ナットの締め直し」を試してください。それでも改善しない場合は、刃自体が外側に反って歪んでいる可能性があります。これをハンマーで叩いて直す荒技もありますが、折れるリスクが高いため、ここから先はプロの領域と考えるのが賢明です。
プロに依頼する剪定鋏の修理と費用の目安
ここまでDIYでの修理方法をご紹介しましたが、「自分には難しそう」「大切な形見の鋏だから、絶対に失敗したくない」という方もいらっしゃるでしょう。また、大きく刃こぼれしてしまった場合などは、個人の力では限界があります。
そんな時は、迷わずプロの「研ぎ屋」さんや、メーカーの修理サービスを利用しましょう。新品以上の切れ味になって戻ってくることも珍しくありません。

和盆日和
- ホームセンターや専門店の修理料金相場
- 近くの研ぎ屋や宅配サービスを利用する
- 部品交換が必要なケースと入手方法
- 修理と買い替えの判断基準となるコスト
- 剪定鋏の修理で長く使い続けるメリットの総括
ホームセンターや専門店の修理料金相場
「プロに頼むと高いんじゃないの?」と心配されるかもしれませんが、実は剪定鋏の修理・研ぎ料金は、意外とリーズナブルに設定されています。いくつかの業者やサービスを比較した一般的な相場は以下の通りです。
| メニュー | 料金目安(税込) | 備考 |
|---|---|---|
| 基本研ぎ料金 | 1,500円 〜 2,500円 | サビ取り、噛み合わせ調整を含む場合が多い |
| 刃こぼれ修正 | +500円 〜 1,000円 | 欠けの大きさによる |
| 部品交換 | 部品代実費 | ネジ、バネなどの交換 |
だいたい2,000円前後で、分解掃除から研ぎ、調整までフルコースでやってもらえるイメージです。数万円する高級な鋏であれば、この投資は決して高くありません。
ホームセンターの「サービスカウンター」でも研ぎを受け付けている場合がありますが、店内に職人さんがいるわけではなく、提携している外部の研ぎ屋さんに送るケースが多いです。そのため、戻ってくるまでに1週間〜2週間程度かかることが一般的です。急ぎの場合は、店舗に「研ぎ師」が常駐しているか、イベント開催日などを確認すると良いでしょう。
近くの研ぎ屋や宅配サービスを利用する
最近では、近所に金物屋さんや研ぎ屋さんがなくても、インターネットで申し込んで郵送でやり取りできる「宅配研ぎサービス」が非常に充実しています。
宅配修理を利用する際の流れ
- ネットで注文・決済をする。
- 鋏を梱包して送る(レターパックなどを利用)。
- 職人さんが修理・研ぎを行う。
- 数日後、自宅に返送されてくる。
ここで最も重要なのが「梱包(パッキング)」です。刃物は危険物です。輸送中に刃先が箱を突き破って配送員の方を傷つけたり、他の荷物を傷つけたりしないよう、徹底した配慮が必要です。
- 刃が開かないようにビニールテープや輪ゴムでしっかり固定する。
- 刃先を厚紙や新聞紙で何重にも包む。
- 箱の中で動かないように緩衝材を詰める。
送料は依頼者負担(往復で1,000円程度)になることが多いですが、わざわざ店に持ち込む手間と交通費を考えれば、便利な選択肢と言えるでしょう。
部品交換が必要なケースと入手方法
「研ぎ」だけでなく、錆びて折れてしまったボルトや、紛失したナットなどの部品交換が必要な場合もあります。 この時、重要になるのが「メーカーとブランド」です。
岡恒、アルス、フェルコ、飛庄(とびしょう)といった有名メーカーの製品であれば、部品の供給体制がしっかりしています。プロの研ぎ屋さんや金物屋さんは独自のルートを持っているため、純正部品を取り寄せて修理してくれる可能性が高いです。
一方で、ホームセンターのPB(プライベートブランド)商品や、ノーブランドの安価な鋏、あるいは海外製の古い鋏などは、交換部品が存在しない(または入手不可能)なケースが多々あります。この場合、プロにお願いしても「部品がないので修理不可」と断られてしまうことがあります。依頼する前に、必ずメーカー名と型番を伝えて確認することをおすすめします。
修理と買い替えの判断基準となるコスト
さて、最終的な判断として「修理に出すべきか、新品を買うべきか」という経済的な損益分岐点について考えてみましょう。私の経験上の目安は以下の通りです。
修理か買い替えかの判断基準
- 購入価格が2,000円以下の鋏: 修理代(約2,000円)+送料を考えると、新品を買ったほうが安く、性能も新品の方が良い場合が多いです。残念ながら「買い替え」推奨です。
- 購入価格が4,000円以上の鋏: 修理に出す価値が大いにあります。この価格帯の鋏は良い鋼(はがね)を使っており、研ぐことで何度でも切れ味が蘇るように作られています。「修理」推奨です。
特に、職人さんが手打ちで作った鍛造(たんぞう)の鋏は、使い込んで研ぎ減った姿にこそ「味」が出ます。安価な量産品を使い捨てるよりも、良いものを直しながら使う方が、長い目で見ればコストパフォーマンスも良く、満足度も高いはずです。
剪定鋏の修理で長く使い続けるメリットの総括

和盆日和
経済的なメリットはもちろんですが、しっかりとメンテナンスされた鋏を使うことは、植物の健康を守ることに直結します。
切れ味の悪い鋏で枝を「押しつぶす」ように切ると、植物の維管束(導管)が潰れ、切り口の細胞が破壊されます。ギザギザになった断面は、腐朽菌や病害虫の格好の侵入口となり、そこから枝枯れを起こしたり、最悪の場合は木全体が弱ったりしてしまいます。
逆に、カミソリのように鋭利に研がれた鋏による「きれいな切り口(Clean Cut)」は、植物自身の治癒力(カルス形成)を早め、傷口を素早く塞ぐことができます。つまり、鋏を修理することは、愛する盆栽や庭木に対する「優しさ」であり、園芸家としての「マナー」でもあるのです。
出典:アルスコーポレーション公式「キレイな切り口はなぜ必要?」
何より、何度も手入れをして、自分の手の一部のように馴染んだ道具には、新品にはない魂が宿ります。私の鋏も傷だらけで黒ずんでいますが、どんな高級な新品よりも信頼できる最高の相棒です。 ぜひ、この記事を参考にメンテナンスに挑戦して、あなたの大切な一丁を、一生モノの道具へと育ててあげてください。
以上、和盆日和の「S」でした。