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庭木の手入れに欠かせない剪定ばさみ。いざホームセンターへ行くと、その種類の多さに驚かされます。剪定ばさみはカインズやコーナン、DCM、コメリといった大手チェーンのオリジナル商品から、切れ味に定評のある剪定ばさみ おすすめの日本製モデルまで様々です。中にはプロ用おすすめ品もあり、価格帯も幅広いため、どれを選べば良いか迷ってしまうのは当然のことでしょう。
一方で、最近ではダイソーなど100円ショップでも見かけますが、庭木の手入れに本当に使えるのか疑問に思う方もいるはずです。
この記事では、ホームセンターであなたにピッタリの剪定ばさみを選ぶための基本的な知識から、各社の特徴、プロも愛用するおすすめの商品までを、園芸のプロの視点も交えて詳しく解説します。
記事のポイント
- ホームセンターで選ぶべき剪定ばさみの基準
- 主要ホームセンター(カインズ・コーナン・DCM・コメリ)の品揃えと特徴
- ダイソー商品の実力と用途
- プロも愛用する日本製の定番モデル
剪定ばさみ ホームセンターおすすめの選び方

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- 失敗しないサイズの選び方
- 刃のタイプ(バイパス型・アンビル型)
- ダイソーでも買える?
- カインズの人気商品は?
- コーナンの品揃え
失敗しないサイズの選び方

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剪定ばさみを選ぶ上で、最も重要なのが「ご自身の手の大きさ」に合ったサイズを選ぶことです。デザインや価格だけで選んでしまい、サイズが合わないハサミを無理に使おうとすると、必要以上に力が必要になり、すぐに手が疲れてしまいます。それだけでなく、手首や腕に負担がかかり続け、腱鞘炎など怪我の原因にもなりかねません。
一般的な剪定ばさみは、全長が180mm、200mm、210mmといったサイズ展開が多く見られます。これはあくまで目安ですが、以下を参考にしてください。
- 180mm前後: 手が小さめの方や、女性におすすめのサイズです。軽量で取り回しがしやすく、細かい枝(小枝)の剪定や、バラのお手入れといった繊細な作業にも向いています。
- 200mm前後: 最も標準的なサイズで、多くのメーカーがこのサイズを基準にしています。男性や一般家庭での使用に広く適しており、パワーと扱いやすさのバランスが取れています。
- 210mm以上: 手が大きい方や、より太い枝を切る力を求める方に向いています。その分、重量も増す傾向にあるため、体力に自信がある方向けとも言えます。
サイズの目安:必ず店頭で握ってみる
可能であれば、ホームセンターの店頭でパッケージから出して(サンプルが用意されている場合)、実際にグリップを握ってみることを強くおすすめします。ハサミを持ったときに、力を入れずに自然に握れるか、指が窮屈でないか、バネの反発力は強すぎないかを確認してください。「自分の手にしっくりくる」という感覚が非常に大切です。
また、商品によっては手の大きさに合わせて刃の開き具合を2段階に調整できる機能が付いたモデルもあります。ご家族で共用する場合や、切る枝の太さに合わせて使い分けたい場合などは、そうした機能の有無もチェックしてみると良いでしょう。
刃のタイプ(バイパス型・アンビル型)

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剪定ばさみの刃には、大きく分けて「バイパス型」と「アンビル型」の2種類があり、それぞれ得意な作業が異なります。切断の仕組みが全く違うため、ご自身の用途に合わせて適切なタイプを選びましょう。
バイパス型(すり合わせ刃)
バイパス型は、カーブした上の刃(切刃)と下(受刃)がすれ違うことで、文房具のハサミのように枝を「切断」するタイプです。これはホームセンターで最も一般的に見かける形式であり、剪定ばさみのスタンダードと言えます。
- メリット: 切り口が滑らかでキレイに仕上がります。植物の組織(道管や師管)を潰しにくいため、木へのダメージが少なく、切り口からの病気の侵入リスクを減らせるとされています。生木や若い枝の剪定に最適です。
- デメリット: 構造上、硬い枯れ枝や太すぎる枝を切ろうとすると、刃がねじれるように力が逃げたり、刃こぼれしたりしやすい場合があります。
主な用途: 庭木全般、果樹、バラ、観葉植物など、生きた枝の剪定
アンビル型(たたき切り刃)
アンビル型は、上の刃(切刃)を、下にある平らな「受け台(アンビル)」に押し当てて、まな板の上で包丁を使うように枝を「断ち切る」タイプです。
- メリット: バイパス型に比べて約3分の1程度の力で切れるとも言われており、女性や握力が弱い方でも太い枝を楽に切断できます。枯れ枝や硬い枝の処理に非常に強いです。
- デメリット: 枝の片側をどうしても押し潰すように切るため、切り口がやや荒れやすくなります。生木の剪定に使うと、植物へのダメージがバイパス型より大きくなる可能性があります。
主な用途: 枯れ枝の処理、太い枝の切断、力の弱い方、作業量の多い方
初めての一本であれば、庭木の手入れ=生木の剪定がメインになることが多いため、汎用性の高い「バイパス型」をおすすめします。もし、力の要る作業が多い場合や、握力に自信がない場合は、ラチェット機構(ハンドルを握り直すことで段階的に切断できる)を備えたアンビル型も検討すると良いでしょう。
ダイソーでも買える?

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「剪定ばさみはダイソーでも買えるの?」という疑問をお持ちの方も多いでしょう。結論から言うと、ダイソーやセリアなどの100円ショップでも園芸用ハサミは購入可能です。
価格は110円(税込)や220円(税込)のものが主流です。例えば、110円の商品には「枝切りはさみ(万能タイプ)」や「ガーデンはさみ(剪定刃)」といった種類があり、一見するとホームセンターの商品と変わらないように見えるかもしれません。
ただ、これらの商品はあくまで「一時的な使用」や「非常に細い草花の茎を切る」といった軽作業向けと考えるのが賢明です。ホームセンターで販売されている1,000円〜数千円クラスの商品と比べると、以下のような違いがあります。
100円ショップ製品の注意点
- 切れ味の持続性: 新品時は切れても、刃の材質や焼き入れ処理が異なるため、切れ味が長持ちしない傾向があります。すぐに切れなくなり、かえって力が必要になることもあります。
- 耐久性: 全体の作りが価格相応のため、5mmを超えるような少し硬い枝を切ろうとすると、刃が欠けたり、ハンドルが歪んだり、バネが外れたりするリスクが伴います。
- 安全性: 無理な力を加えた際に破損すると、怪我に繋がる恐れがあります。
- 錆びやすさ: 使用後のお手入れを怠ると、すぐに錆びて切れ味が悪化しやすいです。
もちろん、220円(税込)の商品には「園芸剪定バサミ」として一定の評価があるものも存在します。しかし、安全に庭木の手入れを始めたい、あるいは長く道具として使いたいと考えるなら、最低でも1,000円台以上の、ホームセンターのプライベートブランド品や定番メーカー品を選ぶことを強くおすすめします。
カインズの人気商品は?

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カインズ(CAINZ)は、機能的でおしゃれなプライベートブランド(PB)商品に強みを持つホームセンターです。園芸用品も例外ではなく、シンプルで使いやすいデザインのアイテムが揃っています。剪定ばさみに関しても、初心者向けの安価なモデルから、プロ仕様の高品質なものまで幅広く取り揃えています。
カインズのPB商品では、握りやすさや軽さに配慮したモデルが人気です。例えば、以下のような特徴を持つ商品があります。
- 軽量アルミハンドル: 本体を軽くし、長時間の作業でも疲れにくいよう工夫されたモデル。
- フッ素コーティング刃: 刃の表面にフッ素加工を施し、樹液(ヤニ)や汚れが付着しにくく、お手入れが簡単なモデル。
- 握りやすいグリップ: 手の形にフィットするよう設計された、滑りにくい樹脂製グリップを採用したモデル。
また、カインズの園芸コーナーの大きな特徴として、後述する「岡恒(おかつね)」のような、プロ御用達の定番メーカー品もしっかりとラインナップしている点が挙げられます。例えば、「岡恒 剪定鋏 200mm NO.103」といった定番中の定番モデルも取り扱っており、専門家(プロ)と一般ユーザーのどちらのニーズにも応えられる品揃えとなっています。
カインズで選ぶ際は、まずデザイン性と機能性に優れたPB商品の機能性と価格をチェックしつつ、すぐ隣に陳列されている岡恒などの定番日本製モデルとじっくり比較検討できるのが大きなメリットです。
コーナンの品揃え

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コーナンは、関西を地盤に全国展開するホームセンターで、幅広い品揃えと専門性の高さが特徴です。「コーナンPRO」といったプロ向け業態も展開しており、道具へのこだわりが強い層からの支持も厚いです。剪定ばさみのコーナーも非常に充実しており、選択肢の多さでは随一と言えるでしょう。
コーナンのプライベートブランド「LIFELEX(ライフレックス)」からは、コストパフォーマンスに優れた剪定ばさみが多数販売されています。例えば「先細剪定鋏」や「軽量剪定鋏」など、基本的な機能を備えつつ1,000円台前半で購入できるモデルもあり、初めての一本としても選びやすいラインナップです。
しかし、コーナンの最大の特徴は、PB商品以外のナショナルブランド(NB)の圧倒的な品揃えにあります。園芸刃物コーナーに行くと、「アルスコーポレーション」や「千吉(藤原産業)」、そして「岡恒」といった日本の主要な刃物メーカーの製品がずらりと並んでいます。
特に、大阪に本社を構える「アルスコーポレーション(ARS)」の取り扱いが豊富な傾向にあり、プロ向けの高級モデルから家庭用のカラフルなモデルまで、多種多様なハサミを比較検討できます。プロから一般家庭まで、あらゆる層のニーズに応える「専門店の集合体」のような品揃えがコーナンの強みです。
目的別!剪定ばさみ ホームセンターおすすめ商品

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- DCMのオリジナル品
- コメリの特徴
- おすすめの日本製モデル
- プロ用 すすめ品を紹介
- まとめ:剪定ばさみ ホームセンターおすすめ11選と選び方
DCMのオリジナル品

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DCMは、DCMカーマ、DCMダイキ、DCMホーマックなどが統合して生まれた国内最大級のホームセンターグループです。「DCMブランド」として展開されるオリジナル商品は、全国の店舗網を活かしたスケールメリットにより、実用性とコストのバランスに優れています。
DCMの剪定ばさみで注目したいのは、昔ながらの形状を受け継ぐ「鍛造剪定鋏」です。これは、金属を叩いて成形する伝統的な「鍛造」製法で作られた堅牢なモデルで、非常に切れ味が良いとDIYユーザーやベテランの園芸愛好家から評価されています。価格も2,000円前後と手頃ながら、生木であれば1cm程度の太さまでしっかりと切断できる実力を持っています。
DCMブランドの鍛造剪定鋏は、何十年も前からプロに使われてきた定番の形状(いわゆるB型)をほぼそのまま採用しており、派手さはありませんが「道具としての信頼性」を重視する方におすすめです。
さらに、DCMは電動工具にも力を入れています。剪定作業の負担を大幅に軽減する電動式の「枝切っ太郎」や、バッテリーを共通で使える「DCM 18V 園芸ツール」シリーズ(充電式剪定ばさみなど)もラインナップされています。体力に自信がない方や、剪定する庭木の数が多い方は、こうした電動タイプも選択肢に入ります。伝統的な手動タイプと最新の電動タイプを同じ売り場で比較できるのがDCMの魅力です。
コメリの特徴

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コメリは、全国に最多の店舗網を持ち、特に農業従事者やプロの職人からの支持が厚いホームセンターです。「農家さんの倉庫」とも称されるように、園芸用品や農業資材のラインナップも実用性を第一に考えたものが揃っています。
コメリの店舗は、一般向けの「コメリ ハード&グリーン」と、プロ向けの資材を豊富に取り揃えた「コメリパワー」や「アテーナプロ」業態に分かれますが、どちらの店舗でも園芸・農業用品は中核的な売場です。
プライベートブランド商品も展開していますが、剪定ばさみに関しては、特にプロからの信頼が厚い定番メーカー品の取り扱いに強みがあります。中でも「岡恒(おかつね)」の製品ラインナップは非常に豊富で、標準的な180mmや200mmのモデルはもちろん、替刃や専用の砥石、収納ケース(剪定皮サック)といった関連アクセサリーまでしっかりと揃えていることが多いのが特徴です。
コメリで剪定ばさみを選ぶ際は、「プロが現場で使う定番品を、関連する消耗品やアクセサリーも含めて確実に手に入れたい」というニーズに応えてくれる、信頼感のある品揃えが特徴と言えます。
おすすめの日本製モデル

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ホームセンターで剪定ばさみを選ぶ際、もし品質と耐久性にこだわり、「良いものを長く使いたい」と考えるなら、日本製の定番メーカー品を選ぶのが最も確実な選択です。ホームセンター各社も、プライベートブランドの隣にこれらの定番品を必ずと言っていいほど陳列しています。
これらの製品は、刃物の名産地(例えば岡恒は広島県尾道市、アルスは大阪府堺市)で培われた技術を活かして製造されています。ここでは代表的な3メーカーを紹介します。
ホームセンターで買える主な日本製メーカー
| メーカー名 | ブランドの特徴 | 主な製品・シリーズ |
|---|---|---|
| 岡恒(おかつね) | プロ(植木職人)からの絶大な支持。圧倒的な切れ味と耐久性。「赤白グリップ」が信頼の証。最高級刃物鋼を使用。 | 剪定鋏ユニーク(NO.101, NO.103) |
| アルスコーポレーション | 人間工学に基づく握やすいグリップ(エルゴノミクスデザイン)や、錆び・ヤニに強い刃の表面加工技術に強み。 | Vシリーズ(VS-7R, VS-8Rなど) |
| 千吉(せんきち) | 藤原産業が展開する総合ブランド。コストパフォーマンスに優れ、ラチェット式や軽量アルミハンドルなど、家庭向けに工夫された商品が多い。 | ラチェット式剪定鋏、アルミ柄剪定鋏 |
これらの日本製モデルは、数千円の価格帯が中心ですが、適切にメンテナンス(使用後に樹液を拭き取る、必要に応じて刃を研ぐ)を行えば、何年にもわたって快適な切れ味を維持できます。切れ味が悪いハサミで無理に枝を切ろうとすると、植物の切り口を傷め、病気の原因になるだけでなく、自身の怪我にも繋がります。長い目で見れば、初期投資は少し高くても、品質の高い日本製モデルを選ぶことは非常に合理的な選択と言えるでしょう。
プロ用おすすめ品を紹介

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「プロ用」と聞くと、特別な専門店でしか買えないイメージがあるかもしれませんが、プロが実際に現場で愛用している剪定鋏の多くは、カインズ、コーナン、DCM、コメリといった大型ホームセンターで購入可能です。
プロが道具に求めるのは、非常にシンプルです。第一に「圧倒的な切れ味と耐久性(刃持ちの良さ)」、そして「シンプルな構造とメンテナンスのしやすさ」です。一日中使い続けるため、握りやすさやバネの強さといったフィーリングも重要視されます。
この厳しい条件を完璧に満たし、多くのホームセンターで「プロ仕様」として販売されているのが、前述の「岡恒(おかつね)」の剪定鋏です。
岡恒のハサミは、刃物用に厳選された最高級の鋼(日立ヤスキ鋼など)を使い、独自の熱処理によって非常に高い硬度と粘りを両立させているため、スパッと切れる快い切れ味が長く続きます。構造もボルトとナット、バネ(V型)という非常にシンプルな構成で、バネの交換や刃研ぎといったメンテナンスがしやすい点も、道具を酷使するプロに選ばれる理由です。(出典:株式会社岡恒 公式サイト)
プロ用定番モデル:岡恒 剪定鋏
| モデル名 | 全長 | 重量 | 主な特徴 |
|---|---|---|---|
| NO.101 | 180mm | 約180g | 手が小さめの方、女性プロにも人気。取り回しが良く、繊細な作業にも向く。 |
| NO.103 | 200mm | 約230g | 最も標準的なプロ用サイズ。パワーと扱いやすさのバランスが良く、迷ったらコレとも言われる定番品。 |
もしホームセンターで「どれを選べば絶対に間違いないか」「一番良いものが欲しい」と聞かれれば、多くの専門家や店員がこの岡恒の剪定鋏(特に手の大きさに合わせてNO.101またはNO.103)を推薦するでしょう。価格は3,000円〜4,000円程度しますが、その価値は十分にあります。
まとめ:剪定ばさみのホームセンターおすすめ11選と選び方
この記事で解説した、ホームセンターで剪定ばさみを選ぶ際のポイントをまとめます。
- 剪定ばさみ選びで最も重要なのは自分の手のサイズに合わせること
- 初めての一本には切り口がキレイな「バイパス型」がおすすめ
- 力の弱い方や枯れ枝処理には「アンビル型」も有効
- ダイソーの商品はごく軽い作業や一時的な使用に留めるのが賢明
- カインズはPB商品と定番品(岡恒など)を比較しやすい
- コーナンはアルスや千吉などメーカー品の品揃えが圧倒的
- DCMは伝統的な鍛造鋏のPBと電動タイプが特徴
- コメリは岡恒などプロ向け定番品の関連商品まで充実している
- 品質と耐久性を求めるなら日本製の定番メーカー品が確実
- 岡恒、アルス、千吉がホームセンターで買える主要日本製メーカー
- プロが使う剪定鋏の多くはホームセンターで入手可能
- プロ用の定番は「岡恒」のNO.101(180mm)とNO.103(200mm)
- 岡恒は切れ味、耐久性、メンテナンス性の全てに優れる
- 価格は安価なPB品から3,000円超のプロ用まで幅広い
- 安全と植物のために、切れ味の良いハサミを選ぶことが最終的に重要