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盆栽の癒合剤おすすめ5選|切り口に合うタイプと正しい選び方

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こんにちは、和盆日和のSです。

盆栽の枝を切ったあと、切り口に何を塗るか調べてみると、トップジンMペースト、カットパスター、カルスメイト、キヨナール、キニヌールと、似たような商品がいくつも出てきます。

どれも「癒合剤」と呼ばれることがありますが、中身を見ると役割は同じではありません。殺菌剤として農薬登録されているものもあれば、切り口を物理的に覆うための保護材、乾燥やひび割れを抑えながら肉巻きを助けるタイプもあります。

盆栽では、ただ傷口を覆えばよいわけでもありません。小さな剪定痕なのか、太い枝を抜いた大きな傷なのか。松柏なのか雑木なのか。さらに、塗った部分が正面から見えるなら色も気になります。

そこでこの記事では、代表的な盆栽用癒合剤を比べながら、切り口の大きさ、殺菌の必要性、樹種、塗膜の特徴、見た目から選べるように解説します。

記事のポイント

  • 盆栽用癒合剤5タイプの違い
  • 切り口の大きさに合う選び方
  • キニヌールやトップジンMの特徴
  • 癒合剤の正しい塗り方と注意点

盆栽の癒合剤おすすめ比較と切り口別の選び方

盆栽の癒合剤を選ぶなら、「人気があるから」という理由だけで一つに決めるより、切った場所と目的から考えたほうが分かりやすいですよ。まず、癒合剤が何をするものなのかを確認したうえで、主要な製品を比べていきます。

  • 盆栽の癒合剤とは
  • おすすめ5タイプを比較
  • トップジンMペースト
  • カットパスター
  • カルスメイト
  • 新キヨナールとエース
  • キニヌールの特徴
  • 切り口の大きさで選ぶ
  • 樹種と色で選ぶ

盆栽の癒合剤とは

盆栽で癒合剤と呼ばれているものは、剪定や枝抜きなどでできた切り口を保護するために使う資材の総称に近い言葉です。

ここで知っておきたいのが、癒合剤を塗ったからといって、その剤そのものが枝や幹を接着して傷を治すわけではないこと。樹木は切断された部分の周囲からカルスなどの組織を形成し、時間をかけて傷口を覆っていきます。盆栽でよくいう「肉巻き」ですね。

癒合剤は、その過程で切断面を覆い、乾燥や雨水などの影響を受けにくくしたり、製品によってはカルス形成を助けたりします。また、トップジンMペーストのように殺菌剤として登録されている商品もあります。

癒合剤は全部同じではありません。

大きく見ると、切断面を覆う保護材、肉巻きを助けることを目的とした被覆材、殺菌剤として登録された製品があります。商品名より、何を目的に使うのかを見ることが大切です。

つまり、「盆栽の癒合剤なら何を塗っても同じ」という選び方ではありません。切り口の状態に合うタイプを選ぶことが最初のポイントになります。

おすすめ5タイプを比較

代表的な製品を並べると、それぞれの違いが見えやすくなります。

盆栽の切り口に使う複数の癒合剤を比較する様子
盆栽の切り口に使う複数の癒合剤を比較する様子
製品 タイプ 主な色 特徴
トップジンMペースト 殺菌剤・ペースト 橙黄色 殺菌成分を含み、樹木類の切り口や傷口のゆ合促進にも登録
カットパスター 切口被覆塗布材 グリーン・白など 大きな切り口にも使いやすくHiとペーストを使い分けられる
カルスメイト 合成樹脂系保護材 茶褐色 乾燥が比較的早く木肌になじみやすい
キヨナール系 ペースト状保護材 緑・灰褐色 新キヨナールとキヨナールエースで乾燥後の性質が異なる
キニヌール 煤を利用した樹木保護剤 化学合成殺菌剤を含まずハケで塗りやすい

一つだけ買う場合も、単純な順位ではなく用途で決めるのがおすすめです。

殺菌剤として使えるものを求めるならトップジンMペースト。太い枝を抜いた大きな傷をしっかり覆いたいならカットパスター。自然な茶褐色を重視するならカルスメイト。塗膜の弾力やひび割れ対策を考えるならキヨナール系。小さな切断面へハケで塗りたいならキニヌールが候補になります。

用途から選ぶなら、まずこの3商品を確認

殺菌剤として使いたい場合
トップジンMペースト100gが候補です。

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太い枝を抜いた大きな切り口の場合
カットパスターHiが候補です。松柏用と雑木用があるので樹種も確認してください。

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小さな切り口へハケで塗りたい場合
キニヌール100mlが確認しやすい容量です。

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※Amazonでは価格、在庫、販売元、商品の仕様が変更される場合があります。購入前に商品名・容量・用途を確認してください。

トップジンMペーストやカルスメイトなどは容量違いもあるため、Amazonで購入する場合も商品名だけでなく内容量まで確認して選ぶと無駄がありません。

トップジンMペースト

トップジンMペーストは、ほかの切り口保護材とは少し立場が違います。農薬として登録されたチオファネートメチルペースト剤で、有効成分としてチオファネートメチルを3.0%含む殺菌剤です。

樹木類では、剪定整枝時や病患部を削り取った直後、病枝を切除した後などについて、切り口および傷口のゆ合促進を目的とした使用が登録されています。

そのため、単に健全な剪定痕を覆うだけでなく、病気の枝を処置した場面など、殺菌剤であること自体に意味があるケースで候補にしやすい製品です。

ただし、ここはとても大切です。トップジンMペーストは園芸用のパテではなく農薬なので、樹種、使用目的、使用時期、使用回数などは購入した商品のラベルを必ず確認してください。登録内容は農林水産省「農薬登録情報提供システム」でも確認できます。

農薬は「盆栽だから自由に使える」というものではありません。

同じ商品でも作物や樹木によって適用内容が違います。正確な情報は商品ラベルや公式情報をご確認ください。病気の種類が分からない場合や樹勢が大きく落ちている場合は、園芸店や樹木の専門家へ相談することも検討してください。

トップジンMペースト100gを確認する

家庭で数鉢を管理する場合は、まず100gの商品から容量を確認すると選びやすいです。農薬なので、購入前にも適用内容と商品ラベルを確認してください。

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※価格や在庫は変動します。Amazonの商品ページで最新情報を確認してください。

塗布直後の橙黄色が気になる人もいるかもしれませんが、愛知県植木センターの比較試験では、時間経過による外観の変化も確認されています。

カットパスター

太い枝を抜いたあとの傷まで考えるなら、カットパスターは押さえておきたい製品です。

カットパスターHiには松柏用のグリーンと雑木用の白があり、樹種によって選べます。また、Hiとは別にカットパスターペーストが用意されています。

メーカーの使用方法では、1~2cm程度の切り口ならペーストだけで使う方法があり、2cm以下の切り口ではHiで隙間を埋める方法も案内されています。

さらに大きな切り口の場合は、Hiを使ったあと、その上からカットパスターペーストを2~3mmほど塗る方法があります。つまり、大きな傷を段階的に被覆できることがカットパスターの分かりやすい特徴です。

松柏盆栽の大きな切り口にペースト状の癒合剤を塗る様子
松柏盆栽の大きな切り口にペースト状の癒合剤を塗る様子

Hiとペーストでは水への性質も違います。Hiは散水や雨水で溶けにくい一方、ペーストは水溶性なので、塗布後しばらくは雨や散水を避けます。

◆Sのワンポイントアドバイス

盆栽で太い枝を抜くと、切断面そのものが樹形の一部になります。小さな傷に使う液状タイプと同じ感覚ではなく、「大きな面をどう覆うか」で考えると、カットパスターを選ぶ理由が分かりやすくなりますよ。

大きめの枝抜きを予定しているなら、カットパスターHiだけでなくペーストも含めて必要量を確認しておくと、剪定途中で足りなくなるのを防げます。

カットパスターは樹種と用途を確認して選ぶ

用途 確認する商品
黒松・五葉松などの松柏類 カットパスターHi 松柏用190gをAmazonで確認する
モミジ・ケヤキなどの雑木類 カットパスターHi 雑木用190gをAmazonで確認する
大きな切り口の表面被覆 カットパスターペーストをAmazonで確認する

※Hiとペーストは用途が異なります。商品名だけでなく松柏用・雑木用・ペーストの表記を確認してください。

カルスメイト

カルスメイトは、合成樹脂を基材とした茶褐色のクリーム状保護材です。松やサツキなどの盆栽にも使われ、塗った場所が木肌になじみやすいことが魅力でしょう。

盆栽では、健康面だけでなく鑑賞面も無視できません。正面から見える枝を切った場合、鮮やかな色が残るとどうしても視線がそこへ向いてしまいます。その点、茶褐色は幹との色差が比較的小さく、目立ちにくい仕上がりを求めるときに候補になります。

メーカー資料では、直径5cmほどの切り口に約2~4gが一つの目安とされています。ただし、切り口の形や商品表示によって使用量は変わるため、これは一般的な目安として考えてください。

接ぎ木にも使えますが、台木と穂木の接着面に先に塗るものではありません。先に接ぎ木部分を固定して、そのあと外側を保護する考え方になります。

トップジンMペーストと比べる場合は「どちらが上か」ではなく、殺菌剤を必要としているのか、切り口保護と外観を重視するのかで分けると迷いにくいですよ。

茶褐色で目立ちにくい癒合剤を探すなら

カルスメイトは木肌との色差を抑えたい場合に候補になります。容量違いがあるので、Amazonでは150gの商品を基準に確認すると比較しやすいです。

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※価格、容量、販売元は商品ページで確認してください。

新キヨナールとエース

キヨナール系を選ぶときは、新キヨナールとキヨナールエースを同じものとして見ないほうが分かりやすいです。

新キヨナールは緑色で粘りのあるペースト状。塗ったあとすぐ完全に硬くなるのではなく、しばらく半乾きの状態が続くことを特徴としています。乾燥によって剤そのものが割れてしまうのを抑える考え方です。

一方、キヨナールエースは灰褐色で、乾燥後にも表面に弾力を残し、割れや剥離を抑える設計になっています。塗布の目安は約0.5mmとされており、厚ければ厚いほどよいわけではありません。

散水直後の濡れた切り口は避け、切断面の水分を取ってから塗ります。キヨナールエースでは、塗布後の散水は理想として半日以上、天候などによっても最低1~2時間程度は避ける考え方が示されています。

サツキを育てている場合は、キヨナールエースのサツキ用も候補になります。盆栽の種類が決まっているなら、汎用品だけでなく樹種を意識した製品まで見ると選択しやすくなります。

キニヌールの特徴

「盆栽の癒合剤 キニヌール」で探している人が特に確認したいのは、トップジンMペーストとの違いでしょう。

キニヌールは墨づくりの技術を生かして作られた樹木保護剤で、主成分として煤煙、合成糊材、キトサン、酢酸が使われています。

黒色なので、塗布直後は切り口が黒く見えます。一方で液状でハケ塗りしやすく、小さな剪定痕を一つずつ処理したい場面では扱いやすいタイプです。

盆栽の小さな剪定切り口にハケで癒合剤を塗る様子
盆栽の小さな剪定切り口にハケで癒合剤を塗る様子

ここで間違えやすいのが殺菌剤としての扱い。キニヌールでは煤による菌の増殖や繁殖防止を目的とした説明がありますが、化学合成で作られた殺菌剤は含まれていません

したがって、農薬として登録されているトップジンMペーストと「同じ殺菌剤」と考えないようにしてください。

愛知県植木センターが行った比較試験では、トップジンMペーストとともにキニヌールでも癒合促進が顕著と評価されています。ただし、試験では評価に主観を含むこと、樹種や切り口などによって結果が変わる可能性も示されています。試験内容は愛知県植木センター「剪定切り口の癒合促進に関する調査」で確認できます。

キニヌールは少量タイプと大容量タイプで用途がかなり違うため、盆栽数鉢の管理なら必要以上に大きな容量を選ばず、使い切りやすさも確認して選ぶとよいでしょう。

数鉢の盆栽ならキニヌール100mlから確認

小さな剪定痕へハケで塗りたい場合は、100mlの商品が比較しやすいサイズです。

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※商品名、容量、販売元を確認してから購入してください。

切り口の大きさで選ぶ

製品名を覚えるより分かりやすいのが、切り口の大きさから選ぶ方法です。

切り口 候補 見るポイント
小さな剪定痕 キニヌール、カルスメイト、キヨナール系、トップジンM 塗りやすさ、色、殺菌の必要性
1~2cm程度 カットパスターペーストなど 傷全体を覆えるか
2cm前後まで カットパスターHiなど 隙間を埋めて被覆できるか
大きな枝抜き痕 カットパスターHi+ペーストなど 大きな面を維持して保護できるか

ここで示した大きさは、すべての製品に共通する絶対的な基準ではありません。特に1~2cm、2cmといった数値はカットパスターのメーカー使用方法を判断材料にした目安です。

太い枝を切る場合は癒合剤だけでなく、そもそもきれいな切断面を作れる道具が必要になります。太枝用の道具を選ぶ場合は、太い枝用剪定鋏の選び方も合わせて確認してください。

太い枝を切る前後に揃えておきたい道具

太い枝を抜く盆栽作業では、切断面を整えやすい又枝切りと、作業後に樹液やヤニを落とす刃物クリーナーも一緒に準備しておくと作業が止まりにくくなります。

又枝切りを確認する

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剪定後の刃物クリーナーを確認する

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※枝の太さや作業内容に合う道具を選び、無理に太い枝を切断しないでください。

樹種と色で選ぶ

盆栽では、機能と同時に色も見ておきたいところです。

製品 主な色 特徴
トップジンMペースト 橙黄色 塗布場所を確認しやすい
カルスメイト 茶褐色 木肌になじませやすい
新キヨナール 緑色のペースト
キヨナールエース 灰褐色 さまざまな樹肌になじませやすい
キニヌール 塗布直後は黒さが目立つ
カットパスターHi 松柏用グリーン・雑木用白 松柏と雑木で使い分けられる

黒松や五葉松などの松柏類と、モミジやケヤキなどの雑木では幹肌も違います。カットパスターHiのように最初から松柏用と雑木用を分けた商品もあります。

また、サツキにはキヨナールエースのサツキ用があります。カルスメイトもメーカー資料でサツキや松などの盆栽用途が挙げられています。

ただ、樹種名だけで決める必要はありません。切り口の大きさ、傷の状態、鑑賞面から見える場所なのかまで合わせて見てください。

盆栽の癒合剤おすすめ比較と正しい使い方

合う癒合剤を選んでも、濡れた切り口へ適当に厚塗りしたり、腐った木部をそのまま閉じ込めたりすれば、本来の使い方から外れてしまいます。ここからは、塗布前の処理、塗る厚さ、乾燥時間、塗り直しまで見ていきましょう。

  • 癒合剤を塗る前の処理
  • 濡れた切り口は避ける
  • 塗る厚さは製品で違う
  • ひび割れたら確認する
  • 古い傷は状態を確認する
  • 癒合剤は必ず必要か
  • 木工用ボンドで代用できるか
  • 盆栽の癒合剤に関するよくある質問
  • 盆栽の癒合剤おすすめ比較と正しい選び方まとめ

癒合剤を塗る前の処理

まず大切なのは、切断面そのものです。

剪定鋏や鋸で枝を切ったあと、切り口に鋸くず、木くず、コケなどが残っていれば取り除きます。腐朽した部分を処置する場合は、製品の使用方法に従って必要な範囲を処理してから塗布します。

一方で、「癒合剤を塗りやすくするため」と健全な部分まで大きく削るのは避けたいところ。盆栽では傷を目立たなく仕上げる作業もありますが、必要以上に新しい傷を広げれば、それだけ樹が覆わなければならない面も増えます。

剪定そのものに慣れていない場合は、樹形づくりを急ぐより、まず切る場所と道具の扱いを確認してください。盆栽を始めたばかりなら、盆栽初心者の育て方と基本から日常管理も確認しておくと安心です。

塗る前に見るのは「きれいな切断面か」「濡れていないか」「傷んだ木部が残っていないか」です。

ただし、処置方法は樹種や傷の状態によって変わります。大きな腐朽や原因の分からない枯れ込みがある場合は、無理に削り進めないようにしてください。

濡れた切り口は避ける

剪定直後なら何でもすぐ塗ればよい、というわけではありません。

新キヨナールでは剪定部分の水分を取ってから塗る方法が示され、散水後は付きが悪いため避けます。キヨナールエースも散水直後の使用は避ける考え方です。

カットパスターペーストは水溶性なので、塗布後3~4時間ほどは雨や散水を避けるようにします。

つまり、水やりを終えた直後に枝を切り、そのまま濡れた切断面を塞ぐより、製品ごとの使用条件を確認してから作業するのが確実です。

盆栽は毎日の水管理が欠かせないので、剪定する時間も少し考えておくと作業しやすくなります。雨が続く日に大きな枝抜きをするより、切り口の処置まで落ち着いて終えられる日を選ぶほうが扱いやすいでしょう。

塗る厚さは製品で違う

癒合剤は厚く盛るほど効く、と考えないようにしてください。

例えば、キヨナールエースのメーカー推奨は約0.5mmです。一方、大きな切り口へカットパスターHiを使用したあとに塗るカットパスターペーストは2~3mmほどが示されています。

カルスメイトでは、直径5cmの切り口に約2~4gが一つの目安。トップジンMペーストは登録された使用方法に従って原液を塗布します。

製品 塗布の目安
キヨナールエース 約0.5mm
カットパスターペースト 大きな傷でHiの上から2~3mm
カルスメイト 直径5cmに約2~4gが一般的な目安
トップジンMペースト 登録内容と商品ラベルに従って原液を塗布
キニヌール ハケで切断面を覆う

製品ごとに設計が違う以上、同じ厚さにそろえる必要はありません。購入した商品の説明を基準にしてください。

ひび割れたら確認する

塗った癒合剤にひびが入ると、「失敗したのかな」と気になりますが、必ずしもそうとは限りません。

形成層から肉巻きが進み、周囲が盛り上がることで塗膜が割れることがあります。キヨナール系では、そのような場合に必要に応じて再塗布する方法が示されています。

カットパスターでも、カルス形成が進み表面に割れができた場合、状態を確認して再度処置する方法があります。

見るべきなのは、単に塗膜が割れたかどうかだけではありません。切り口の周囲から新しい組織が巻いているのか、反対に黒ずみや軟化、異臭など気になる変化が出ていないかも確認してください。

盆栽の剪定傷を観察して肉巻きの状態を確認する様子
盆栽の剪定傷を観察して肉巻きの状態を確認する様子

◆Sのワンポイントアドバイス

癒合剤を塗ったら終わりではなく、その後の切り口を見ることも盆栽の手入れの一部です。数週間後、数か月後に肉巻きがどこから進んでいるかを見ると、その樹の反応も分かってきますよ。

古い傷は状態を確認する

以前に切った枝の跡が残っている場合、新しい切り口と同じようにそのまま剤を重ねればよいとは限りません。

カットパスターでは、大きな古傷について新しく処置してから塗布する方法があります。一方ですでに健全なカルスが巻き始めている場所を、必要もないのに削り直すのも避けたいところです。

古い傷を見るときは、中央部が乾いているだけなのか、腐朽が進んでいるのか、周囲からカルスが形成されているのかを見ます。

大きな空洞、幹まで続く腐朽、原因の分からない枯れ込みなどがある場合は、癒合剤だけで解決しようとしないでください。最終的な判断は盆栽専門店、樹木医などの専門家に相談することも大切です。

癒合剤は必ず必要か

盆栽の枝を切ったら必ず癒合剤を塗らなければいけないのか。この疑問は、かなり大事です。

一般的な樹木管理では、すべての剪定傷に傷口被覆剤を使うことが標準とはされていません。きれいな剪定痕なら、樹木自身の反応に任せる考え方もあります。

だからといって、「癒合剤には意味がない」と盆栽へそのまま当てはめるのも極端でしょう。

盆栽では短い幹から比較的太い枝を抜くことがあり、その傷跡が鑑賞面に直接残ります。肉巻きの進み方や切り口の保護が、その後の樹形づくりにも関係します。また、盆栽向けに作られた被覆材も多数あります。

小枝を一本切るたび機械的に塗るのではなく、傷の大きさ、樹種、作業内容、使用する製品を見て判断するのが現実的です。

特に病気が疑われる枝へトップジンMペーストを使用する場合は、単なる「傷口保護」の話ではなく農薬使用になるので、適用内容を確認してください。

木工用ボンドで代用できるか

癒合剤の代用品として、木工用ボンドや墨汁、ペンキが挙げられることがあります。しかし、専用品と同じと考えるのはおすすめできません。

愛知県植木センターの比較では、木工用ボンドは被膜を作ったものの癒合促進効果は期待できないと評価されました。野外用墨汁では十分な被膜ができず乾燥やひび割れが見られ、ペンキスプレーでも被膜が長続きしない結果が報告されています。

同じ試験でキニヌールには癒合促進が認められているため、「キニヌールが黒いなら墨汁も同じ」ということにはなりません。

キニヌールには煤だけでなく、合成糊材、キトサン、酢酸などが使われています。色だけを見て代用品を決めないことです。

家庭にある接着剤や塗料を安易に代用しないでください。

植物用として設計されていない製品は、乾燥後の性質や成分、耐水性などが異なります。専用品を使用するときも、メーカーが示す用途と使用方法を確認してください。

盆栽の癒合剤に関するよくある質問

Q1. 盆栽に癒合剤は必ず必要ですか?

A. すべての小さな剪定痕へ必ず塗らなければならないとは言い切れません。一般的な樹木管理でも、すべての剪定傷へ被覆材を使うわけではありません。ただ、盆栽では太い枝を抜いた傷が鑑賞面に残ることがあり、専用の切り口保護材を使う意味があります。切り口の大きさ、樹種、作業内容から判断してください。

Q2. キニヌールには殺菌剤が入っていますか?

A. キニヌールは煤煙、合成糊材、キトサン、酢酸などを主成分とする樹木保護剤で、化学合成で作られた殺菌剤は含まれていないとされています。そのため、農薬登録された殺菌剤であるトップジンMペーストと同じものとして扱わないようにしてください。

Q3. トップジンMとカルスメイトの違いは何ですか?

A. 大きな違いは、トップジンMペーストが殺菌剤として農薬登録されていることです。カルスメイトは茶褐色の切り口保護材で、木肌になじみやすい特徴があります。病患部の処置などで殺菌剤が必要なのか、健全な切り口の保護や外観を重視するのかで分けて考えると分かりやすいです。

Q4. 濡れた切り口へ癒合剤を塗ってもよいですか?

A. 製品によって違いますが、濡れた切り口を避けるよう指定されているものがあります。新キヨナールやキヨナールエースでは切断面の水分に注意し、カットパスターペーストは塗布後の雨や散水を避ける必要があります。使用する商品の説明を確認してください。

Q5. 木工用ボンドを癒合剤の代わりにできますか?

A. 専用品と同じ効果が得られるとは考えないほうがよいでしょう。比較試験では木工用ボンドは被膜を形成したものの、癒合促進効果は期待できないと評価されています。墨汁やペンキについても専用品と同じ結果ではありません。盆栽の切り口には、用途が明確な専用品を選ぶほうが安心です。

盆栽の癒合剤おすすめ比較と正しい選び方まとめ

盆栽の癒合剤は、商品名だけでランキングを作って一つを選ぶより、切り口に合わせて使い分けるほうが納得しやすいです。

殺菌剤として使うならトップジンMペースト、大きな枝抜き痕ならカットパスター、木肌になじむ色を重視するならカルスメイト、塗膜のひび割れや耐候性まで考えるならキヨナール系、小径の切り口へハケで塗るならキニヌールという違いがあります。

そして、癒合剤そのものが傷を自動的に治すわけではありません。樹自身が形成層周辺からカルスを作り、少しずつ切り口を覆っていく過程を補助するものとして考えてください。

塗る前には切断面の木くずや汚れを取り、製品によっては水分を拭き取ります。厚さや乾燥時間も商品ごとに違うので、「たくさん塗れば安心」と考えず説明に合わせることが大切です。

また、トップジンMペーストは農薬です。使用する場合は最新の商品ラベルと農薬登録情報を確認してください。古い傷の腐朽や原因の分からない枯れ込みなど、自分で判断しにくい症状がある場合は、最終的な判断を盆栽専門店や樹木の専門家へ相談するのも一つの方法です。

盆栽では、枝を切った瞬間より、そのあと数年かけて傷がどう巻いていくかが大切です。切り口の大きさと樹種を見ながら、これから作りたい樹形まで考えて癒合剤を選んでみてください。

以上、和盆日和の「S」でした。

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